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昨年(2001年)の12月。HISAYO編集長が京都にシュガークラフトのレッスンに来られたおり、お昼休みに「和菓子研究会」と称して京都の代表的な「きんとん」を三種類、食べ比べてみました。 |
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〜冬の「きんとん」三者三様〜 |
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ご紹介するのは、嘯月さんの「こがらし」、生風庵さんの「雪餅」、松屋常盤さんの「梢の雪」です。 |
![]() 松屋常磐 京都市中京区堺町通丸太町下ル TEL075-231-2884 |
「梢の雪」 非常に柔らかいきんとんでお茶席では「初心者泣かせ」の異名があります。 水分を非常にたくさん含んだ常盤さんのきんとんは、普通にお箸で挟んだだけでは形が崩れてしまいます。かといって、力を緩めると、その大きさ(かなり大きめです)ゆえに落としそうになります。本当に取り扱いが難しいので、私などはケーキサーバーを持ち出す始末…(笑) 鳩居堂の先代のご主人の言葉は、今や京都の一つの常識として君臨しています。「松屋常盤さんのきんとんを箸で移せない人は、まだまだお茶の喫みかたが足りませんな」・・・身につまされる思いです。(笑) もちろん私はお茶のお稽古をしておりませんし、心得もありません。しかし、和菓子好きとしての修業の足りなさを思い知らされます。一つ一つ丁寧にこしらえていただいたものを、その形を崩すことなく供することが出来るよう、お箸の持ち方から見直さないと、と思う昨今です。(笑) 今回頂戴した「梢の雪」は、冬木立の上に積もった雪を象ったもので、その繊細な表現にはいつも感心してしまいます。一番上でキラキラ光っているのは、氷餅(*1)です。 目で見て楽しく、舌の上で喜びが倍化。この柔らかいきんとんは、何ものにも代えがたい美味しさです。 |
![]() 生風庵(しょうふうあん) 京都市北区小山下総町16 TEL 075-441-5694 |
「雪餅」 戦後の創業で、先代が虎屋黒川から独立されました。こちらのお店の名前も「虎」にちなんでいます。「龍は雲を生じ、虎は風を生ず」という故事から生風庵と名付けられたそうです。生風庵さんのお菓子もお茶会などでお目にかかることが多いお菓子で、三千家からも高い信頼を受けておられます。 こちらの大名物と言えば、誰が何と言おうと「雪餅」!! これは、冬場12月から2月頃までのきんとんで、純白のつくね芋の餡がそぼろになって、薄黄色の黄身餡を包み込んでいます。 その真っ白な佇まいは、食べてしまうのが惜しいほど。優しく菓子切りで半分にしてみると・・・そこには純白の雪原にほんのりと日が差し込んだような風情。心奪われる瞬間!! 陽だまりの雪どけ…それとも、しんしんと降り積む雪におおわれた石蕗(つわぶき)や蝋梅を感じることが出来るでしょうか…。 いざ雪餅を口にすると…つくね芋の独特な風味と黄身餡の優しい味わいが一つになって、口の中で蕩けていきます。この瞬間のおかげで冬を待ち遠しく感じることが出来る…これって、私がただの「食いしん坊」だからなのでしょうね。(笑) |
![]() 嘯月(しょうげつ) 京都市北区紫野上柳町6 TEL 075(491)2464 |
「こがらし」 大正5年創業の比較的新しいお店ですが、今では「京都に嘯月あり」と日本国中にその名を轟かせています。初代は「虎屋黒川」(羊羹で有名な「とらや」)で修業された方で、嘯月という名前も「虎は月に嘯く(吼える)」という言葉から採られたそうです。 表千家を始め、さまざまな茶会にこちらのお菓子が使われていますし、あの「瓢亭」さんの懐石のお菓子としても有名です。 こちらのきんとんの特徴は、なんといっても「そぼろの細かさ」でしょう。名だたる京都の有名なお店のきんとんを見渡してみても、こちらほどきめ細かく仕上げたそぼろは見当たりません。(ただ細かいから良いという訳ではありませんが…(笑)) これほど細かいそぼろは、細工するにも難しく、造形の妙には感動しますし、いかにも丁寧に仕上げられた姿は食べるのも惜しいほどです。 十分に鑑賞した後は、実際にいただきます。 あ〜、この餡の清々しさは何たることでしょう。先代にお話を伺ったことがありますが、とにかく、これでもかこれでもかと徹底的に小豆の雑味を取り除かれています。普通の餡作りの2倍以上は時間が掛かるとも仰ってました。口の中でさらさらと流れ落ち、後味になんの嫌味も残らないこの餡は、正に芸術品でしょう。 こちらのきんとんをいただくたびに「小豆餡の最高峰」という言葉が頭の中に浮かんできます。 (きんとんの隣のお菓子は、こなし菓子(*2)です。これは、また別の機会に…) |
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こうして三種食べ比べして思ったのは… (*2)こなし菓子
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